落馬は怖いもの?意味ある落馬って何?

落馬は怖いもの?意味ある落馬って何?
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乗馬の勧めの中の人

父親が乗馬の仕事をしていた関係で2歳から乗馬を開始。 大学では強豪と言われる馬術部に所属していた。 乗馬歴21年ほど。 インターハイ、国体、全日本に出場 初心者やこれから始める人にフォーカスを当てた記事を執筆

乗馬を始めてほぼ全ての人が経験する「落馬」

その落馬について筆者の経験から危険性、意味ある落馬について書こうと思う。

 

危険性

多くの人が落馬と聞くと怪我の原因に感じるかもしれない。

しかし安全に配慮したヘルメットやボディプロテクターを着用し、しっかりと馬場の中で落馬さえすれば

ほぼ怪我をする心配なない。

馬は臆病ですぐ暴れることがある反面、その臆病さから人を踏まずによけて逃げることが多く

落馬の後に馬に踏まれるなどという事は私の長い乗馬経験の中でも記憶にないほどだ。

 

では色々ある落馬の落ち方で注意が必要なことをお伝えしよう

馬場以外での落馬

馬場には砂が敷き詰められており、落馬しても大きな怪我にはつながらない。

しかし厩舎から馬場へ移動する途中のアスファルトの上や、クールダウンのために乗馬クラブの周辺を歩いているときなど

砂以外の場所に落ちる時には注意が必要だ。

もちろん固い地面というだけでなく、予想できないような物が落ちていたりするので怪我に繋がってしまう

対策方法としては、馬場以外では曳き馬で歩き、馬場に移動してから馬にまたがるなどといった方法を取った方が良いだろう。(各クラブでやり方も違うので一概には言えないが・・・)

馬場内ラチ沿いでの落馬

馬場の周辺を囲っている柵のことをラチという。

そのラチ沿いで落馬をした際、まれにラチ上に落馬して大けがをする人がいる。

それほど多い事例の怪我ではないが、十分注意が必要だ。

多くの場合ラチに向かって馬が走り、急ブレーキをかけ騎乗者が投げ出されてラチにぶつかるというパターンが多い。

練習中に走られたり、障害練習中の落馬

これが一番多い落馬だろう。

初心者が騎乗している際、馬が大きな物音にビックリして走ってしまい制御不能の後に落馬

障害に向かって馬がビタ止まりし落馬

先に書いた「馬場以外の落馬」「ラチ沿い」と同じように落馬ではあるが、これは「意味ある落馬」につながる。

上達につながる「意味ある落馬」とはなんだろうか?

意味ある落馬

意味があるとは「上達につながる」と理解してもらって良い。

つまり落馬することによって「なぜダメだったのだろう?」と考えさせてくれる落ち方が筆者としては重要と考えている。

まず制御不能で走られてしまい落馬する時に考えるのは「どうやったら止められるんだろう?」という事だ。

次に「走られないためにはどうすれば良いのか?」ということを考えなければならない。

筆者が簡単にお伝えすると、走られないためにはしっかりとハミをかけ、常に馬とのコンタクトを保っておき

走られた場合にはしっかりバランスバックして鐙を踏み込み、馬を御さなければならない。

プラプラの手綱で乗って、走ったことに驚き前かがみになってはならないのだ。

 

障害に向かってビタ止まりして落ちた場合、または障害を飛越中に落ちる場合は

障害前の完歩をしっかりと把握し、飛越までしっかりと馬に座り、飛越と同時に前傾になる。

その際、飛越中はバランスをしっかり保ちつつ、次の向かう先をしっかり見据える必要がある。

間違っても、下ばかり向いていたり付き遅れたりしてはならないのだ。

 

さて、ここまでのHow toを読んで、どうすれば良いか分かっただろうか?

多くの人が分からないと思う。

完歩?飛越?バランスバック?

分からない言葉ばかりだろう。筆者も言葉で伝えるのは非常に難しい。

しかし意味ある落馬を繰り返すうちに何を言っているか分かってくるというのが面白いところである。

意味ある落馬は考えるチャンスを私たちに与えてくれ、上達につながるヒントを教えてくれる。

無理やり落馬をする必要はないが、落ちて恥ずかしいなどと考えずどんどん吸収すればよいのである。

最後に

筆者も小さい頃から幾度となく落馬をしてきた。

練習中や競技会、馬場の中もあればクロスカントリーという山中を走っていても落馬したことがある。

しかしそれは全て学びにつながった落馬であった。

ぜひ皆さんも臆することなく、自信をもって落馬をしてみてほしい(ちょっと言い方が違うかも・・・)

いずれにしてもすべての失敗は成長への一歩である。