乗馬の勧めの中の人
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今回の記事は「乗馬初心者に鞭は必要なのか?」という事について書こうと思う
これから乗馬を始める人、道具を買い揃えようと思っている人にとって有益な情報になれば幸いだ
20年以上乗馬をしていた筆者の考えとして、最初に結論を書くと
答えは「必要ない」という思いがある
ではなぜ必要ないかというと大きく分けて二つのデメリットが生じるからだ
正確な扶助を知ることが出来ない
全身を使って馬を動かす乗馬で、特に重要になるのは騎座と脚だ。
簡単に書くとお尻と足で正確に馬に指示をだすことが重要になる。
障害馬術、馬場馬術すべての根幹であるこの「扶助」を正確に学ぶことが上達への一番の近道と言っても過言ではない。
さて皆さんは鞭をどのように使うかご存じだろうか?
ハイヨーシルバー!と振りかざして馬のお尻を叩くことを想像していないだろうか?
実はお尻や肩を叩くだけでなく、馬の両サイドでチラつかせて見せる「見せ鞭」もかなり使うことが多い。
この見せ鞭は視野角が広い馬の特性を生かして、片側に寄ってくる馬を反対に寄せる効果がある。
とても効果的な鞭の利用方法なのだが、実はこの寄ってくる馬への対策は騎座と脚、また手綱で抑制するとこが可能なのだ。
可能というより、それを覚えなければ上達することはないだろう。
また馬を前に出すときにも脚と騎座でする必要がある。やみくもに鞭を叩いているようではダメなのだ。
鞭を使う時にハミが外れる
初心者やこれから乗馬を始める方には分かりにくい感覚かもしれないが、
人間と馬は手綱をピンと張った状態で常にコンタクトが取れていることが望ましい。
手綱は馬の口に噛ませているハミという道具に付いているのだが、鞭を打つ時に初心者はガチャガチャと手綱を外してしまうことがある。
馬にとってハミは口角にぶつかる「違和感のある道具」だ。
そのハミが鞭を打つ度にガチャガチャと動くと馬も苛立ち始めたり、口角を怪我したりする。
口角の怪我は人間でいうところの「靴擦れ」のような状態になり、なかなか治らない傷をおってしまうのだ。
また鞭を使う時にハミが外れ、コンタクトが取れない状態になり
不用意に強めの鞭を入れた場合
馬は驚き、走り出したり立ち上がったりと騎乗者を落とそうとしてくる。
初心者の方が暴れたり走った馬を止めることが出来るはずもなく、無駄な落馬をしてしまう。
余談だが落馬にも意味のある落馬と無駄な落馬がある。そのことについては後日しっかり書こうと思う。
騎乗者と馬は常に手綱でつながっている事が理想で、鞭を使うことでそのコンタクトが外れてしまうなら
鞭など使わない方がよっぽど良いのだ。
最後に
乗馬クラブや乗馬道具屋に「最初に揃えるべき道具」を聞いたら短鞭などをセットに入れられるかもしれないし、鞭を持つと人によっては「乗馬をしている感」が感じられ嬉しくなるかもしれないが、長年乗馬をしてきた筆者としては必要性を感じない。
まずは鞭などに頼らず、自らの力で馬をコントロールできるようになる。それが今後のためになるのでぜひ参考にしてみてほしい。
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