ジュニアライダーの親御さんへのメッセージ

ジュニアライダーの親御さんへのメッセージ
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乗馬の勧めの中の人

父親が乗馬の仕事をしていた関係で2歳から乗馬を開始。 大学では強豪と言われる馬術部に所属していた。 乗馬歴21年ほど。 インターハイ、国体、全日本に出場 初心者やこれから始める人にフォーカスを当てた記事を執筆

子供の上達、子供の試合結果は親御さんにとってとても大切で、ハラハラドキドキするものだろう。

私の親も競技会のビデオ撮影では、緊張しすぎて手振れだらけの映像を撮影していた。

そこで今回は長年乗馬をし、インストラクターのような事もしていた私から親御さんへのメッセージを書こうと思う。

子供の乗馬を検討している方はぜひ読んでみてほしい

馬も子供も生き物だ

さて乗馬の練習を見学すると最初に思うのは「これだけで終わりか?」「もっと長時間練習できないのか?」ということを感じるだろう。

初心者や初級ライダーの練習は長くても一時間、その一時間の中には馬のフラットワークやクールダウンの時間も含まれているので実際は40分ほどしかトレーニングをしていない。

他のスポーツに比べてこの練習時間は圧倒的に少ないだろう。

始めて我が子の練習を見た場合、物足りなさを感じると思う。

馬に乗るまでの準備、終わってからの手入れの方が長いので「うちの子は作業員じゃない」と感じる方もいるかもしれない。

しかしそれには大きな理由がある

馬も人間と同じ「動物」という事を忘れてはいけない。機械や道具と違い、いくらでも練習に付き合わせるわけにいかないのだ。

細くて繊細な馬の脚は、長時間人間を乗せ続けると腫れることもあるし、初心者が背中の上でドンドンと尻餅をつくと鬐甲(きこう)と呼ばれる首の付け根がすれてケガをしてしまう。

馬のことを思えばほどほどで終わりにしなければならないのだ。

結果ではなく過程を育みたい

さて初めての試合に子供が出場する際はぜひとも良い結果を期待するものだろう。

しかし同じ競技にエントリーしているのは10頭以上、大きな試合になれば30人などで争うことになる。

仮に1/30とした場合、1位になる確率は3.33%だ。(実際は技量の差もあるのでそれ以下になることもある)

期待はしたいが、そこまでの実力と時の運を味方につけるのは至難の業だろう。

結果を手っ取り早く手に入れるは、大金を積めば可能性が上がるのが乗馬である。

障害をフルオートマチックで飛んでくれる馬を大金で手に入れ、競技会の直前まで準備運動をしてくれる指導者にお金を渡して

我が子を試合に出せば、3.33%の確立は大幅に上がる。

はたしてそこで手に入れた結果は本当に意味のある結果なのだろうか?

筆者はそうではないのでは?と感じている。

確かに負けられない試合もあるが多くの場合結果よりそれまでの過程、お子さんの人間力のレベルアップに力を注いでほしい。

回り道になってしまうかもしれないが、「なぜ良い結果が出なかったのか?」と考えることがいつかの好成績に繋がるのである。

そして相手は生き物「馬」である。日頃の管理から一緒に競技会まで行って、人馬一体のごとく競技会に出ているのだ。

その過程を大切にしてあげてほしい。

お金では買えないもの

大金で馬を買っても、その調子はいつか崩れる。

そしてあまりに技量が未熟な子供を馬に乗せると、下手をしたら馬が大けがをして以降使えなくなってしまうこともある。

一回の競技会のために大金を払えるほどのお金持ちであればどんどんお金をつぎ込めばいいが、ほどんどの人はそうではないだろう。

では子供時代から馬術をさせることによって何が手に入るのか?というと

・動物と接することによって生まれる心の安定

・試合に向けて馬の調子を考えるプロセス(先々の予定を見据える力)

・競技会で結果が出なくても、大勢の前で競技をする度胸

・乗馬をするうえでの体幹(筋力)アップ

などなど

他のスポーツでは手に入らない効果を手に入れることが出来る。

実はその積み重ねがいつか訪れる競技会での勝利につながっているのだ。

大金を出しても買えない、子供の感受性などに焦点を当てたほうが親御さんとして楽しめるのではないだろうか?

まとめ

今回はメッセージというタイトルで読者の皆様へこの記事を書いてみた。

このブログの根幹にある「誰でも乗馬を楽しめる」というメッセージを置き換えた内容だが、特に親御さんには響いたのではないだろうか?

どんな子供でも乗馬をすれば少しずつ成長をする。いつか花咲く大木を育てるような気持ちで乗馬をさせれば、

いつか想像もしないような結果を生むはずだ。

ぜひ参考にしてみてほしい。

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