競馬マンガを見て「競馬の世界」を目指すのはありか?なしか?

競馬マンガを見て「競馬の世界」を目指すのはありか?なしか?
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乗馬の勧めの中の人

父親が乗馬の仕事をしていた関係で2歳から乗馬を開始。 大学では強豪と言われる馬術部に所属していた。 乗馬歴21年ほど。 インターハイ、国体、全日本に出場 初心者やこれから始める人にフォーカスを当てた記事を執筆

はじめに

みどりのマキバオー、風のシルフィード、優駿の門、ダービージョッキー、など数々の競馬マンガは多くのファンを魅了している。
競馬マンガを読んで「自分もジョッキーになりたい」「厩務員から調教師になりたい」と思った人も多いのではないだろうか?

現在は週間連載している競馬マンガはほぼ無いが、依然として競馬の世界を目指す人々のバイブルになっているのは間違いない。

そこで今回はマンガを読んで競馬の世界に夢を馳せるのはありなのか?という事について書こうと思う。

マンガと現実の違い

まず最初に頭に入れなければならないのは、「競馬の仕事は耐える時間の繰り返し」という事だ。

多くの競馬マンガは以下のような構成をとっている
・奇跡的な名馬との出会い
・絶対勝てないようなライバルの出現
・牧場や厩舎の仲間との協力
・勝負を行い、大どんでん返しなどが起きる
・奇跡的な勝利の後に待ちかまえている世界のライバル
・昨日までライバルと世界を目指す

大筋はこのような流れが多く、あとはそれぞれのマンガで色づけを変えている事が多い。


ではこのように劇的な生活を日々送れるか?というと、そうではないのだ。

まず奇跡的な馬との出会いは宝くじを当てるようなものだろう。
毎年7000頭ほど生まれると言われている競走馬の中で、
一頭の馬と出会い、その馬が前後の世代に生まれた馬に圧勝する。
その馬のジョッキーになる、所属厩舎で働く、ということは一生に一度あるかないか?と言っても過言ではない。

そしてライバルや仲間といった存在も、そこまで劇的な物ではない。
日々の生活の中で気の合う仲間はもちろん出来るし、同じレースにでる人馬はライバルかもしれない。
しかしマンガはその部分をエンターテイメント的に書き込んでいるのであって、
実世界では普通にいる職場の人々なのだ。

勝負もG1など、華々しい所へ出られる人馬は一握りで、そう簡単にはいかないと言えるだろう。

世界への挑戦・・・ここまでの流れでおわかりいただけるはずだ。

つまり競馬の世界での仕事は刺激的な事はかなり少なく、
日々早朝から馬の世話をし、小さなレースに全力投球をし、我慢し続ける日々の連続になるのだ。

マンガのようにドラマが待っていると思うと肩すかしをくらうのがオチである。

早朝からの仕事、休みの少ない現場、
高収入のジョッキーでも怪我や死との隣り合わせという現実、馬の体調次第では深夜の世話など。

常に耐える、我慢するといった日々を一生送ることを覚悟する必要があるのだ。

絶対忘れてはいけない。常に我慢の日々になると言うことを。

動機付けには最適

そんな架空の物語、マンガの世界を夢見て競馬界に将来の夢を託すのは良いのだろうか?

筆者の幼少からの乗馬仲間は、競馬マンガを夢見て競馬の世界に入った人がたくさんいる。
彼らは「こんなはずじゃなかった」と嘆いているのか?といったらそうではない。
ものすごく楽しそうに働いているし、努力を重ねてG1で騎乗しているジョッキーもいる。

その姿を見て、筆者が感じるのは
「競馬界を目指す動機付けには最適」ということである。

先ほど書いたネガティブな部分ばかりを見ていると誰も目指さなくなってしまうこの世界。
しかし少ない可能性かもしれないが劇的なドラマは起こる可能性があるのだ。

そして一番重要なのが「馬を好きなのか?」という気持ちである。
どんな辛いことも馬が好きで、管理をして、トレーニングの後にレースへ出す。
有力な馬ならどんどん道を切り開いてくれるし、収入にもつながる。
そういった夢の根幹は馬への愛情なのだ。

その愛情とマンガを読んで感じた盛り上がる気持ちを大切にすると
辛いネガティブな部分もうちけせる動機にに繋がるのである。

最後に

競馬の素晴らしい部分を最大限に引き出したと言っても過言ではない競馬マンガ。
現実はそんなに厳しくないということは分かっていただけたと思おう。
しかし目指す動機付けとしてはとても良いことで、夢を持って仕事に励めばいつか素晴らしいドラマがうまれることもある。

もしあなた自身や家族が競馬マンガを読んで、その世界に進もうと思っているのなら
ネガティブな部分もしっかりと把握し、それでも自分はやるんだという強い新年が必要な仕事になるはずだ。

ぜひ参考にしていただきたい。