乗馬の勧めの中の人
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乗馬を始めてしばらく経つと短鞭を持つことも出てくるだろう。
ではその短鞭、バシバシ叩いて良いものなのか?本日はその効果的な使い方についてお伝えしようと思う。
見せ鞭を知っているか?
350度ほどの視野を持っていると言われている馬。
その馬の視野内に短鞭を持つことで、馬は騎乗者が鞭を持っているという事を認識する。
馬は臆病な動物なので、その鞭の存在だけで威力を発揮することがあるのだ。
ではその見せ鞭をどのような場面で生かせばいいのかというと
障害に向かっていく際、いつもどちらか片方に逃げる馬がいたとする。
障害へのアプローチに入った際、いつも逃げる方に鞭をちらつかせ舌鼓などで注意を促すことで
片側への逃げを防止することができるのである。
もちろん騎乗者のきゃく等で、逃げないようにするのも需要なことだが
逃げる馬に効果的だろう。
鞭を打つことの難しさ
せっかく鞭を持ったのだから場面に応じて打ってみたいと思うかもしれない。
しかし騎乗しながら鞭を使うのはかなり難しく、場合によっては落馬へつながる行為だ。
どのように難しいことなのかお伝えしよう。
手綱を持ちながら鞭を使う場合、手首をひねって鞭を打つことになる。
そこで問題になってくるのは手綱のたるみと、馬の口角に当たるハミだ。
バシバシと鞭を使うたびに手綱がたるんで、ハミがガチャガチャ当たると
馬は苛立ちはじめ騎乗者を振り落としたり反抗したりするようになる。
また尻鞭を打つなど、かなり難しいことで
十中八九振り落とされるだろう。(まあ初心者で尻に鞭を使うことなどありえないが・・・)
むやみに鞭を打つのではなく、効果的に使うには?という事を考えてみてほしい。
障害を飛ぶまで必要ない
筆者の考えとして、鞭を持つのは1m以上の障害を飛ぶようになってからで良いのではないかという事を考えている。
これは動物愛護とかそういう話ではなく、技量の向上にも通じる話だ。
鞭を使わず、手綱と騎座そして脚を使ってしっかりと馬を制する事が出来るようにならない限り、技術の向上は見込めない。
上手な人はかならず、このポイントを習得しているのだ。
鞭に頼るのは、ある程度の高さがある障害を飛ぶようになってからで良いだろう。
最後に
今回は短鞭について筆者なりの考えを書いてみた。
私も小学生のころ、先輩が使っている短鞭を見て自分も使ってみたいと思っていたが、国体や全日本に出場するころには「転ばぬ先の杖」程度にしか考えていなかった。
もし馬が逃げたら使おう、念のため持っておこう程度である。
この記事を読んだ皆さんが鞭を使わず馬を制する、という事を心掛けつつ臨機応変に鞭を使い分けられる日が来ることを願っている。