乗馬の勧め

愛馬に対するブラッシングの効果について

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乗馬の勧めの中の人

父親が乗馬の仕事をしていた関係で2歳から乗馬を開始。 大学では強豪と言われる馬術部に所属していた。 乗馬歴21年ほど。 インターハイ、国体、全日本に出場 初心者やこれから始める人にフォーカスを当てた記事を執筆

馬の手入れの一環として必ず行うのが「ブラッシング」だ。

ではそのブラッシングについて深く考えたことがあるだろうか?

今回はブラッシングの効果と注意点について筆者の経験からお伝えしようと思う。

一番の目的

ブラッシングは「毛並みをそろえる」という事が本来の目的だ。

当たり前のことだが、馬は全身毛でおおわれている。

毛刈りをしていればあまり癖などは付かないが、冬毛などでは馬房から出してくると

寝ぐせのような状態になっていることが多い。

その癖を治してやるのが一番の目的だろう。

まぁ、これは誰でも想像できる。

ヒーリング効果

実は馬というのは家畜の中でも特に神経質な動物で、ストレスなどをため込むと問題が生じやすいのだ。

例えば他の馬に攻撃的になったり、馬房内で暴れる、柵癖、ゆう癖、といった悪癖を発症するなど

ストレスが原因で色々な問題が起こるのだ。

そのストレスを発散するのにブラッシングは効果的と言われている。

 

想像してほしい。美容室や床屋でカットの後に頭皮のマッサージを受けたことはないだろうか?

あのマッサージはとても気持ちよく、ついつい眠気を誘われてしまうほど癒し効果があるのはお分かりいただけると思う。

馬も全身をブラッシングしてもらうことによって、マッサージ効果があり馬のリフレッシュにも効果的なのだ。

フケや皮膚病の防止

馬房内、放牧地などは多くの汚れ、ダニなどが大量にある。馬はその中で生活をしているので

全身の毛には汚れが大量についてしまう。

全身水洗いを毎日できれば良いのだが、冬場や休養日などは丸洗いが出来ない日も多くなってしまう。

その際にブラッシングは手入れとして効果を発揮する。

 

毛並みをそろえるだけでなく、逆さに毛を逆立てるようにブラッシングし、毛の下に溜まっている

フケや汚れを取ってやることによって丸洗いと同等の効果が得られるのでぜひ丁寧にやってほしい。

ブラシの使いまわしには注意

馬は皮膚病を発症することがある。

汚れやフケ、場合によっては皮膚にカビが生えることもあるのだ。

皮膚病を発症した馬に使ったブラシを他の健康な馬に使うと、ブラシを介して移ってしまうことがあるから注意しなければならない。

 

自分の担当馬であれば専用のブラシを用意し、天日干しをよくしたり場合によっては消毒液などに漬けるのも良いだろう。

まずは他の馬と共有しないというのがベストになる。

 

乗馬クラブであれば、比較的分けやすいかもしれないが

高校大学馬術部などでは道具もそろっておらず、ブラシを全頭分買うことなど出来ないと思う。

そういった際には「洗濯用ハイター」※漂白剤

を水で薄め(かなり薄めにするように)その液入りバケツにブラシを付ければ消毒になる。

その後天日干しすればかなりの殺菌効果がある。

 

一番よくないのが暗く湿った場所に放置する事なので、たかがブラシだがしっかり管理してほしい。

 

最後に

それほど重要でないと思いがちなブラッシングだが、その効果は絶大で

毎日のことなのでないがしろにしないでほしい。

馬は人間と築いた長い歴史の中で「人間に触られると落ち着く」という事がDNAに組み込まれている動物だ。

(シマウマは人間との歴史が無いのでそうではない)

ブラッシングをすることでコミュニケーションがとれ、体調の変化や病気の早期発見にもつながる

素晴らしい事なのだ。

皆さんの愛馬にとって良い記事になれば幸いと思いこの記事を書いてみた

ぜひ実践してみてほしい。

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