乗馬の勧めの中の人
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フィットネス効果を期待して乗馬を習う人はとても沢山いる。効果が有るか無いか結論から言うと「有る」
しかし何も意識せず乗馬をするだけではその効果も半減してしまう。
今回の記事は乗馬のどの動きが体のどこに作用してフィットネス効果があるかという観点の記事を書こうと思う。
騎乗とフィットネス
ただ単に馬に乗っかっているだけではフィットネス効果は薄れる。
一時期流行った乗馬マシーンでもテレビを見ながらダラダラ乗っているだけだと効果は一切出ない。
では何が重要になってくるかというと姿勢である。
しっかりとした姿勢で乗ることにより、丹田(タンデン)が鍛えられ結果として体幹と腹筋周辺のフィットネスに繋がるのだ。
ここで丹田は何かご存知だろうか?
丹田とはおへその下4cmくらいの場所のインナーマッスルの事で乗馬では馬に指示を出す際重要な筋肉になる。意識して動かす事の出来ない筋肉だが、鍛えることによって基礎代謝の上昇と腹筋への効果が期待できる。
そして乗馬は全身スポーツだ。腹周りだけでなく、腕や背中、一番は足回りに効果がある。馬を動かすのはキャクと行って足で挟んで指示を出す。それもハイヨーシルバーというようにドンッと蹴るのではなく、グッと挟んだりポンと蹴ったり、色々な動かし方のキャクを使う。そのキャクで前に出しながらグッと手綱を握る。そうして丹田周辺の力を使って馬を制するのだ。
文字に起こすととても説明しにくいが、時に綱引きの一番後ろの人のような力の入れ方をすることもある。力だけで馬に乗るわけではないが、結構な力を使うこともある。
馬の手入れとフィットネス
先日の記事にも書いたが馬に乗るだけが乗馬ではない。例えば乗った後の手入れもフィットネスという意味では効果がある。あなたは実際の馬を見たことあるだろうか?あれほど大きな馬の全身を洗ってやらなければならない。馬というのは人間の次に大汗かきの動物と言われ、夏場の運動ごなどは全身汗だらけになる。
その手入れ、馬は気持ちよさそうに汗を流しているのだが、人間は汗だくだ・・・
つい先ほどまで馬上で運動をした私たちは降りてからもせっせと馬を洗うことになる。馬の手入れをしたことない人に分かりやすく伝えるなら、軽自動車一台分の洗車くらいの労力だ。それを乗馬の度に行うのだからその労力はご理解いただけるだろう。
また使用した後の馬具を掃除し、次回も使うために管理するという事もなかなかの運動になる。重たい馬具も多く、馬の手入れから馬具の手入れまで全てを終わらせると夏場などは汗だくになる。なかなかの運動だ。
厩舎作業とフィットネス
厩舎の作業は、馬に乗る事以上のフィットネス効果がある。
- 馬小屋掃除
馬小屋は厩舎によって藁をひいていたり、おがくずを使っていたり様々だが掃除をしなければならないという共通の仕事がある。
この馬小屋掃除はかなりの体力を使う。馬の糞尿で汚れて重たくなった寝藁を一輪車で運び出し、捨てたり干して再利用したりする場所もあれば、汚れたおがくずをスコップで取り出し新しいおがくずを追加したりする。
この時の労力はかなりのもので、慣れない人は筋肉痛になるほどである。
- 餌の運搬
もしあなたが積極的に厩舎作業を取り組む場合、餌の管理もすることになるだろう。
馬の餌はその厩舎によってかなり違うが、メインの餌は乾草と高カロリーの飼料だ。乾草は干した草で、ブロックになっていたりバラで保管されたりしている。特にそのブロックが重く、一体5キロほどあるのだ。高カロリー飼料はコーンフレークのようなものを想像してもらえれば良く、30キロほどで一つの袋詰めされて保管されている。
もし積極的に馬の管理に参加したり、学生馬術をする場合この餌の運搬は毎日の日課になる。相当なフィットネス効果が期待できるのだ。
- その他厩舎作業
馬の管理だけでなく、馬場の砂をならす仕事や障害の修理厩舎の補修などまるで大工のような仕事もすることになる。大変な仕事だがフィットネス効果も高く、以前の記事でも書いたが作業も含めて乗馬と思えば辛くない。
まとめ
乗馬に関わる動きは有酸素運動と無酸素運動の繰り返しを続けるということが分かっていただけただろうか?有酸素運動の騎乗とまるでダンベルを持ち上げる無酸素運動のような餌運搬。もしフットネス効果を期待して乗馬をする際はこの記事を読んでいただき、どの動きがどう意味を持っているのか考えながらしていただくと良いと思う。